グノーシス主義の教義5

41

「肉に食われないように、注意しなさい。それは咆え猛る獅子のようにあなたを狙っている。肉が、魂を、霊を、食い殺さんとしているのである。享楽が清貧を、食い殺す。行過ぎた性が、無垢さを食い殺す。富が信仰心を、食い殺すのである。この獅子に食われると、人間は死んでしまう。それでは、あなたの望む、み国には、辿り着くことができないであろう」。

42

「人間が言った、神よ、お助け下さい。私は弱く、今にも倒れそうです。打たれては立ち上がるのですが、敵の打つ力は強く、私は死のうとしております。神様は言った、あなたの体は、特別なものではないが、あなたは、死なない。あなたには最良のものが備わっているからだ。それはあなたを目覚めさせるのに十分である。それは私の心である。この地獄から立ち上がってみなさい」。

43

「ある囲いの中に善人の羊がたくさんおり、その中に、羊の皮をかぶった悪人の狼がいるときに、あなたは、ただの羊を助けようとして、善く行動しなさい。そしてあなたがいないときに狼が羊を殺めようとしているのがみえたら、狼が違反して、一言目は、その狼に忠告しなさい。二言目は、行動に移しなさい。三言目は、狼を狩る専門家に相談しなさい。たとえ狼を実際に殺めようとしなくても、あなたと羊を絶対に守りなさい。どこにでも悪魔がいて、あなたがみえないような困難を、持ってくるものである。あなたが悪魔に殺されそうなら、私が守る」。

44

「あなたがたは、三つに分かれた道に立っている。一つはみ国への道。一つは彼らの天国への道。最後の一つは、地獄への道である。み国とは天国ではなく、上の更に上である。そこは高いわけではなくて、彼らによって高くされたものは、天国へいくのである。真の自由ではなく、全てが指図された、命令の天国へいきたいなら、彼らの富を掴んでいなさい」。

45

「この世とは享楽と殺人の宴である。皆が、姦淫し人の命を屠って、殺す。誰も人のことは考えないし、自分が良ければ良いのであって、皆が、このゲームを楽しんでいる。皆が、一部の殺人鬼を責めたてて、また、褒め上げるが、皆とて同じではないか。あなたがたが、獅子に属する限り、このゲームからは、抜けられない。それだから到達点を探し求めなさい。人には人の道が必要である」。

46

「年をとったときに、あなたがたは、何かしらの褒章が欲しくなるものである。己の道を貫くことは皆がするが、この世で褒章を受け取れる人と、受け取れない貧しい人がいるだろう。褒章を受け取った人は満足するが、受け取れない人は悲しみの人生を終える。そこで神から、バルベーロー(み国)をあなたがたは受け取りなさい、そういわれるのは、見当違いだろうか」。

47

「あなたがたに、三位について、教えておこう。この世の世界が父、導くのが聖霊、そして鍵を持っているのがイエスである。イエスについておけば、戸を開き、み国へと、入れてくれるだろう。彼は、あなたがたに、一時は絶望をみせるかもしれないが、あなたがたを、必ず、み国へと、連れていくだろう。そのときには、恥ずかしい振る舞いを恥じるのではなく、悔いるべきことを、悔いておきなさい」。

48

「この世は、死体が山積みになった、忌まわしい場所である。誰もが死体を踏み越えて歩く上、死体をついばむものはいるが、その死体を埋葬したり、供養してやるものはほとんどいない。そう、死体とは、この世で苦難に遭った人のことであって、それはほとんどの人のことである。それだから我々は、人に働きかけよう。助けはこちらから与えるものであり、待っていては、誰もこないだろう」。

49

「今は、この世のものでないものがいる。彼女はバルベーローとこの世を繋いでいるが、それは誰にもみえない。欲しても必ず与えてくれないが、一つだけ、語りかける方法がある。彼女とは、到達点で話せ。彼女は隅の頭石ではないが、みえないものをみる力があって、あなたがたに、それを与えてくれるだろう。一時はきていた隅の頭石はもう消えてしまったが、まだ、これは残されている」。

50

「彼女が教義を与えても悟れないのは、あなたがたが、まだ幼いからである。子どもに、大人の世界を教えても、決して悟れないように、あなたがたは、幼い。知っているもののように語るが、こちらのことは何も知りはしないし、こようともしない。生きた世界で語れ。この世で、死んだようになって生きよ。少しでも知っているものを、決して笑ったりするな。それは幼い行為だ」。